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ThinkPadが起動しない時・電源が入らない時の対処法を解説

「ThinkPadが正しく起動してくれない」
「電源自体が入らなくなった」

いつも通りThinkPadを使おうとした時に、こんな困った事態に直面している方もいらっしゃるでしょう。

起動しないといっても、電源ボタンを押しても一切反応しないのか、電源は入るがメーカーロゴが表示されないのか、ロゴ表示までは進むがその後画面が真っ暗になるのか、など症状は様々です。

そこでこの記事では、こういった症状別の対処法について詳しく解説していきます。

【この記事でわかること】

  • ThinkPadが起動しない時にまず確認すべきこと
  • ThinkPadが起動しない場合の状況に応じた対処法

まずは基本的な確認を行う

ThinkPadが起動しない時の最も多い原因は、電力供給に問題がある、というケースです。
まずは、以下のような基本的な確認から行うようにしてください。

バッテリーが正しく装着されているか

バッテリーは、ちょっとした衝撃でズレてしまうことがあります。

わずかであろうと、正常な位置からズレてしまえばバッテリーは機能しません。
そのためThinkPad内に電力がない状態となり、起動できなくなってしまいます。

パッと見ではわからないぐらいの外れ方をしている可能性もありますので、一度バッテリーを取り外してから正しく取り付けてみましょう。

参考:バッテリーの取り外し・取り付け手順 – ThinkPad T60, T60p, T61

ACアダプターがしっかり挿さっているか

あまりに単純なことなので見落とされがちですが、ただACアダプターがうまく挿さっていなかったというだけのパターンもあります。

電源側・ThinkPad側それぞれの差込口に対し、何度か慎重に抜き差しをしてみてください。

電力不足になっていないか

電源タップを使ってタコ足配線になっていると、電圧が下がることで電力供給が不安定になってしまったり、電源タップの劣化が原因で供給される電力が弱くなってしまったりすることがあります。

電源から充分な電力が供給されない場合、ThinkPadの起動に必要な電力を得ることができず、電源がうまく入らないといった現象が発生する可能性が出てきてしまいます。

こうした可能性を考慮し、一度電源タップを介さずに通電させてみてください。
壁にあるコンセントからの電力供給が最も強いので、コンセントに直接挿しこむことで問題が解決することがあります。

電源ケーブルに問題はないか

電源ケーブルが断線していたりすると、当然正常な通電が行われません。

ケーブルの断線は、以下のような状況で起こりやすいです。

  • ケーブルの上に重い物を載せた
  • 長年使い続けたことによる経年劣化
  • 非純正品を使っている

思い当たる場合は、ケーブルの断線を疑ってみてください。
目で見て明らかに異常があるようならば、新しい純正ケーブルを購入すべきです。

ThinkPadが起動しない場合の状況に応じた対処法

一口に「起動しない」といっても、その状況は様々です。

  • 電源自体が入らない
  • 電源は入るが黒い画面のまま
  • メーカーロゴが表示された後に真っ暗になる
  • Windowsが動き出した後に真っ暗になる
  • ログインした後に真っ暗になる
  • 黒画面に白い文字が表示される
  • ブルースクリーンが表示される
  • ビープ音がする

このように、いろいろなケースがあります。

そこで、各状況に合わせた対処法について以下にて紹介していきます。

電源が入らない場合

電源ユニットやその他の重要パーツが物理的に故障している場合はどうしようもありませんが、単に「帯電」や「電力供給の問題」によって一時的に電源が入らなくなっているだけならばすぐに対処が可能です。

帯電とは、パソコンを長時間使用することで内部の回路やパーツに不要な電気が溜まってしまうことで、帯電してしまうと、電源が入らなくなったり、起動後の動きが不安定になったりします。

帯電については、以下の手順を実行して放電を行うことで解消します。

  1. USBメモリ、外付けHDD、LANケーブル、SDカード、プリンターといったすべての周辺機器をThinkPadから取り外す
  2. ACアダプターとバッテリーを取り外す
  3. 90秒以上放置するか、電源ボタンを60秒押し続ける
  4. バッテリーを再度装着する
  5. ACアダプターを壁にあるコンセントへ挿す
  6. ThinkPadの電源を入れる

これで放電処理が完了します。

参考:ThinkPad全般 – 電源ボタンを押しても電源が入らない時の対処方法
参考:パソコンで放電処置を行う方法

なお電力不足の場合は、前述した「タコ足配線の解消」・「電源ケーブルの挿し直し」によって解決することが多いです。

「帯電」と「電力供給の問題」について対処したのに改善しない場合は、物理的な故障である可能性が高くなってしまいます。

電源は入るが黒い画面のまま

通常ならば、電源を入れるとメーカーロゴが表示されますが、何らかの原因でロゴが表示されず黒い画面のままになってしまうことがあります。

この場合考えられるのは、以下の4つのケースです。

  • ThinkPadを構成する重要パーツの物理的故障
  • 帯電による動作不良
  • 液晶の故障
  • 外部ディスプレイに表示する設定になっている

それぞれの対処法については以下の通りです。

ThinkPadを構成する重要パーツの故障

デスクトップパソコンの場合、パソコン上級者ならば自分でパーツ交換などを行うことで解決できることもありますが、ノートパソコンはさらに難易度が上がるため、個人での対応は難しいです。

従って、パーツの物理的な故障に関しては、簡単に対処することができません。
パソコンに詳しい方でなければ、修理業者へ出すか買い替えるしかないでしょう。

帯電による動作不良

前述の通り、帯電によって動作不良を起こすことがあるため、一度放電作業を行ってください。

繰り返しになりますが、放電の手順を再度掲載します。

  1. USBメモリ、外付けHDD、LANケーブル、SDカード、プリンターといったすべての周辺機器をThinkPadから取り外す
  2. ACアダプタとバッテリーを取り外す
  3. 90秒以上放置するか、電源ボタンを60秒押し続ける
  4. バッテリーを再度装着する
  5. ACアダプタを壁にあるコンセントへ挿す
  6. ThinkPadの電源を入れる

こちらを実行することで放電され、帯電による不具合は解消されます。

液晶の故障

ThinkPadの液晶部分が故障していると、電源が入っても画面には何も表示されません。

厄介なのが、割れていたり色がおかしかったりといった明らかな異常がなくとも、実は液晶が破損しているというケースもあることです。

このような場合を考慮し、一度ThinkPadを別のディスプレイに繋いでから起動してみてください。
この方法で別のディスプレイに正常に表示されれば、ThinkPadの液晶の不具合が原因であることがほぼ確定します。

パソコンに詳しいようであれば、自分で液晶を交換してもいいですし、自信が無ければ修理に出すのもよいでしょう。

外部ディスプレイに表示する設定になっている

ThinkPadのディスプレイ表示設定が、外部ディスプレイに表示するような設定になっていると、ディスプレイには何も映りません。

ディスプレイ表示は、キーボードの「Windows」+「P」キーを同時に押すことで切り替えられますので実践してみてください。

メーカーロゴが表示された後に真っ暗になる

メーカーロゴは表示されるのにその先へ進まない、という状態は、ハードディスクの故障かWindowsのトラブルが疑われます。

ハードディスクが故障している場合は、自分でハードディスクを交換するか修理業者へ依頼するしかありませんが、Windowsのトラブルであれば、以下の方法で解決できることがあります。

セーフモードで起動して最近インストールしたソフトやドライバーを削除

突然ロゴから先へ進まなくなったということは、直近でインストールしたソフトやドライバーが起動の邪魔をしている可能性がありますので、セーフモードで起動してから、トラブルの原因となっていそうなソフトやドライバーを削除することで正常に起動する場合があります。

最も利用者の多い「Windows10」における、セーフモードでの起動方法は以下の通りです。

  1. キーボードの「Windowsロゴキー」+「Xキー」を押す
  2. Shiftキーを押しながら再起動を選択する
  3. トラブルシューティング画面 ⇒ 詳細オプション ⇒ スタートアップ設定の順に進み、再び再起動する
  4. オプションの一覧が表示されるので、「4キー」もしくは「F4キー」を押して、セーフモードで起動させる

参考:Windows 10 をセーフモードで起動する – ThinkPad

セーフモードで起動した後は、最近インストールしたソフトやドライバーを削除してください。

スタートアップ修復を行う

Windows自体に何かトラブルが発生している場合には、「スタートアップ修復」という機能を活用することでトラブル解消に期待が持てます。

なお、スタートアップ修復には時間がかかることがありますので、バッテリーではなくACアダプターを使用して電源が切れないようにしてから実行してください。

スタートアップ修復の手順は以下の通りです。

  1. ThinkPadの電源を切るために電源ボタンを10秒以上押し続ける
  2. 電源が落ちた後、再び電源ボタンを押して電源を入れる
  3. ロゴが表示されたまま進まない状態になったら、再び電源ボタンを10秒以上押してThinkPadの電源を落とす
  4. 電源ボタンを押して電源を入れる
  5. Windowsが再起動したら、また電源ボタンを10秒以上押して電源を切る
  6. 電源ボタンを押して電源を入れる
  7. 自動修復画面が表示されるので、「詳細オプション」を選択する
  8. オプション選択画面が表示されるので、「トラブルシューティング」を選択する
  9. 詳細オプション ⇒ スタートアップ修復の順に進み、再起動を選択する
  10. 修復が始まるので、完了するまで待つ

修復完了後は、Windowsが自動で立ち上がります。

参考:Windows の回復オプション | Microsoft

Windowsが動き出した後に真っ暗になる

Windowsが一応起動し、サインイン画面に移る直前で画面が黒くなってしまう場合は、システムを読み込む過程で問題が生じているかもしれません。

一旦強制終了した後の再起動で正常に起動する可能性があるので、実行してみてください。
なお、何度も再起動を繰り返しても無駄なので、5回も10回もひたすら強制終了⇒再起動をやってしまうのは避けるべきです。

一度再起動しても駄目な場合は、前述した「セーフモードでの起動」や「スタートアップ修復」を試してみてください。

ログインした後に真っ暗になる

ロゴ表示から先へ進み、正確なパスワードを入力してログインしてもデスクトップが表示されない場合は、アカウント情報のトラブルが想定されます。

複数アカウントを持っているようならば、別のアカウントでのログインを試してみてください。

どのアカウントでも同じ現象が起こるようならば、深刻なシステムトラブルが起こっている可能性が高まってしまいます。

そういった場合は、ThinkPadのメーカーであるLenovoへの問い合わせを行ってください。

参考:サポート電話窓口 | Lenovo Support BY

黒画面に白い文字が表示される

ロゴ表示から先へ進むものの、その後黒い画面に白い文字が表示されてしまうという現象には、様々な原因が考えられます。

ただ、表示されているメッセージに含まれる単語を確認することで、どこに原因があるのかが推測できます。

「Boot Failure」
「Boot Device not found」
「No Bootable Device」
⇒ThinkPadを起動するために必要なデバイスが見つからない・何かしらの不具合がある

「Operating system not found」
「Missing operating system」
⇒Windowsに何かしらの問題がある

「PCI Parity Error」
「Memory Parity Error」
⇒メモリに不具合がある

「Fan Error」
「Fan error has occurred」
⇒冷却ファンの異常

また、「Press F1 to Resume」「Strike the F1 Key to continue」といった指示がある場合は、指示に従ってF1キーを押して先へ進みましょう。

その他のメッセージを見て意味が分からなければ、Lenovoのサポートや専門業者に依頼するのがベストです。

ブルースクリーンが表示される

ブルースクリーンとは、青い画面の中に白い文字でエラーコードやメッセージなどが表示される状態のことです。
黒い画面に白文字が表示される時と同様、ブルースクリーン発生の原因は多岐に渡ります。

主な原因としては、システムファイルの不具合やメモリの障害、ハードディスクのトラブルといった、深刻なものが多いです。

ただ、「システムの復元」や「初期化」によって回復することもあるので、どうしても回復しない場合はこれらの方法を試してみてください。

システムの復元

「システムの復元」とは、Windowsが正常に動いていた時点までシステムを戻す作業のことです。
手順は以下の通りとなります。

  1. コントロールパネルを開く
  2. 「システムとセキュリティ」にある「システム」をクリックする
  3. 「システムの保護」というリンクをクリックする
  4. 開いた画面に「システムの復元」というボタンがあるのでクリックする
  5. 「OK」⇒「次へ」と進む
  6. 「別の復元ポイントを選択する」を選び、「次へ」をクリックして「他の復元ポイントを表示する」にチェックを入れる
  7. 戻したい時点の日付を選択して「次へ」をクリックする
  8. 復元ポイントの内容を確認後、問題なければ「完了」をクリックする
  9. 「いったんシステムの復元を開始したら、中断できません。続行しますか?」というメッセージが表示されるので、「はい」をクリックする

この後システムの復元が始まり、完了後は自動で再起動行われます。

初期化

初期化とは、工場出荷時の状態に戻すことを指します。
つまり、これまでThinkPad内に蓄積してきたデータはすべて消えてしまうということになります。

消えては困るデータがあるようならば、いきなり初期化を行なわず、データの取り出しに対応している業者に相談しましょう。

データが消えてでもWindowsの正常化を図りたい場合は、以下の記事を参照して初期化を行ってください。

【Windowsパソコンの初期化方法】手順や注意点をわかりやすく解説 >>

ビープ音がする

ThinkPadを起動した後にビープ音が鳴った場合、鳴り方によって不具合が発生している場所や対処法がわかることがあります。
なおビープ音とは、「ピッ」や「ピー」などの電子音のことです。

ビープ音は、音の長さや回数によってどこが故障しているのかを知らせてくれます。
以下のLenovo公式サイトに、ビープ音の意味や対処法が記されているので、是非参考にしてください。

参考:ビープ音が鳴る場合とビープ音以外の症状 – ThinkPad T400s

それでも直らない時は買い替えも検討

症状に応じて適切な処置をすれば、再び正常に起動することも多々ありますが、パーツが物理的に故障しているような時は簡単に直すことはできず、専門業者へ修理に出すか新たに買い替えるしかありません。

監修者/前田 知伸

富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。

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