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自作PCが起動しない原因とは?症状別の対処法も詳しく解説

「自作したパソコンが起動しない」
「電源は入るけど、BIOSが立ち上がらない」

自作PCには、このようなトラブルが付き物です。

修理業者に頼るのも手段の一つではありますが、パソコンに関してある程度の知識を持っている方ならば、自力で解決できる可能性もあります。

そこでこの記事では、自作したパソコンが起動しない原因や、症状別の対処法について詳しく紹介していきます。

【この記事でわかること】

  • 自作PCが起動しない原因
  • 電源が入らない時の対処法
  • ファンは回るが起動しない時の対処法
  • BIOSが起動しない時の対処法

自作PCが起動しない原因

自作PCが起動しない原因は、大きく分けると以下の2つとなります。

最小構成に問題がある

自作PCを作るためには、まず「最小構成」にてパソコンを組み立て、この時点で動くかどうかを確認した後、必要な機器を組み込んだりインストールしたりしていきます。

最小構成とは、パソコンを起動させるために最低限必要なパーツを揃えることです。
以下が、最小構成のパーツとなります。

  • CPU
  • 電源ユニット
  • メモリ
  • マザーボード

この時点で自作のパソコンが起動しない場合、最小構成のパーツの組み立て方が間違っているか、いずれかの部品に障害があるかのどちらかが起動しない原因となります。

HDDやシステムに問題がある

最小構成に問題がなければ、次は以下のようなパーツを組み込んだり、インストールしたりしていきます。

  • グラフィックボード
  • 内臓ドライブ
  • PCケース
  • HDDやSSD
  • CPUクーラー(ファン)
  • OS

最小構成だけではただ画面表示が行われるというだけですので、なんら操作もできず、まだパソコンと呼べるようなものではありません。

上記のパーツやOSを入れて、初めてパソコンとして使えるようになります。

しかし、最小構成の段階では起動していたのに、HDDやOSを入れた状態で起動した時の動作に問題があるようならば、HDDやグラフィックボードに物理的な障害があるか、組み立て方を間違っているか、システム的な不具合が生じているか、のいずれかに原因があります。

電源が入らない時の対処法

完成した自作PCが、電源ボタンを押しても起動しない時の対処法について紹介します。

電源ケーブルの抜き差しを行う

「そんな単純なことが原因であるはずがない」という油断から意外と盲点になってしまうのが、電源ケーブルの差し込みが甘くしっかりと挿さっていなかったため、通電しておらず電源が入らなかった、という症状です。

こういった単純なミスを防ぐため、コンセント側・自作PC側ともに、電源ケーブルの抜き差しをしっかりと行ってみてください。

ケーブルの異常や差込口の確認

ケーブルに何かしらの異常があったり、自作PC側のケーブル差込口にホコリが溜まっていたりすると、正常な電力供給が行わずに電源が入らないということがあります。

まずは、ケーブルに断線や変形がないかを確認してください。
特に、ケーブルの上に何か重い物を載せてしまった場合は、内部で断線している危険がありますので要注意です。

なおケーブル差込口にホコリが溜まっていた場合には、接触不良によって正しく通電しないことがありますので、清潔な乾いた布などでホコリを綺麗に除去してください。

ATXコネクタをしっかり挿す

自作PCにありがちなミスとして、「ATXコネクタ(ケーブル)がしっかり挿さっていない」というものがあります。

ATXコネクタとは、マザーボードへ電源を送るためのもので、多くの配線や差込口が存在する横長のコネクタのことです。

このコネクタは非常に固く、しっかり接続したつもりでいても、実は奥まで差し込みきれていないということがありますので、何度か挿し直して正常に通電するかどうかを確認するようにしてください。

電源ユニットの交換

最小構成で電源を入れてみた時に電源が入らなかった場合、電源ユニットの故障が疑われます。

組み立てに問題がないのに電源が入らないようならば、電源ユニットを新たなものに交換してみるべきでしょう。

マザーボードの交換

マザーボードのLEDが点灯していない場合、電源ユニットからマザーボードへの電力供給が行わていない可能性が高いです。

また、電源ボタンを押した時に一瞬電源ランプが点灯するものの、結局起動しないというような時は、マザーボードの不具合の可能性が高まります。

ATXコネクタをしっかりと挿しているのにLEDランプが正常に点灯し続けないようならば、別のマザーボードを利用するようにしてみてください。

ファンは回るが起動しない時の対処法

電源を入れた時に冷却ファンが回るということは、通電自体には問題がないということになります。

通電しているのに正常に起動しないという場合は、以下のような方法を試してみてください。

ディスプレイを確認する

自作したパソコン自体が正常であっても、ディスプレイに問題があれば画面表示に不具合が生じてしまいます。

  • ディスプレイの電源が入っているか
  • ディスプレイとパソコンが正しく接続されているか
  • ディスプレイと接続しているケーブルに損傷はないか
  • ディスプレイ自体に問題はないか

まずは、上記のような基本的な部分について確認してください。

ディスプレイに問題があるかどうかの判断は難しいと思われますので、できれば違うディスプレイに接続してみるのがよいでしょう。

他のディスプレイで正常に画面表示が行われれば、ディスプレイの問題だったことが確定します。

熱暴走対策を行う

自作したパソコン本体の温度が異常に上がってしまうと、「熱暴走」と呼ばれる状態になってしまうことがあります。

熱暴走とは、パソコンの使用環境や使用時間、使用しているソフトの負荷などによって、CPUやHDDなどが異常に熱くなってしまうことで、パソコンが正常な動作をしなくなってしまう状態を指します。

通常の使用範囲ではそうそう熱暴走など起きないのですが、CPUクーラーの取り付け方が間違っていたり、ファンの周りに多量のホコリが付着しているような場合は、パソコンの冷却を正しく行うことができずに熱暴走を起こしてしまう可能性があります。

CPUクーラーの取り付けが適切かどうか、ファンの周りにホコリが大量に付着していないかどうか、といったあたりをしっかり確認し、問題があるようならば改善するようにしてください。

熱暴走を起こさないためには、高温多湿な環境でのパソコンの使用を控えるなどの配慮も必要です。

放電する

パソコン内に不要な静電気が溜まってしまうと、ファンだけは回るものの起動しない、といった症状が発生してしまうことがあります。

帯電の可能性を考慮し、一度パソコンの放電を行ってください。

放電の手順は簡単で、パソコンから電源ケーブルをはじめとするすべての機器を取り外し、5分ほど放置するだけで完了します。

グラフィックボードとCPUの補助電源をしっかり接続する

自作PCの場合、グラフィックボードやCPUの補助電源確保がうまくいっていないことで、起動しないことがあります。

こうした状態になってしまう原因の多くは、「補助電源ケーブルの繋ぎ忘れ」です。

パソコンを開けて中身を確認し、グラフィックボードとCPUの補助電源ケーブルが問題なく接続されているかどうかを確認してみましょう。

一見正常に挿さっているようでも、差し込みがやや緩くなっていたというようなケースも考えられるため、もう一度しっかりと挿してみてください。

CPUを交換する

組み立てに問題がなくとも、CPU自体に問題があると、通電はするものの起動しないという現象が発生してしまいます。
可能ならば、別のCPUに交換してみてください。

ただ、新たなCPUを用意するには高い費用がかかるため、いろいろ試してみたものの他に原因が考えられない、という時の最終手段として実行するのがよいでしょう。

BIOSが起動しない時の対処法

パソコンを起動させると、まずはBIOSと呼ばれるプログラムが呼び出され、最低限の入出力やハードウェアについてのチェックを行います。
このチェックで問題がなければ、OSを呼び出してパソコンが立ち上がる、という流れとなります。

つまり、BIOSが正常に立ち上がらなければパソコンは起動しません。

BIOSが起動しない時の対処法は以下の通りです。

各パーツの接触不良がないか確認

グラフィックボードやメモリといった重要パーツで接触不良が発生していないかを確認してみましょう。

接触不良は、パーツが上手く取り付けられていなかったり、ホコリが付着していたりすることで発生してしまいます。

メモリの場合は、接触不良によってHDDのアクセスランプが無反応になることがあるため、ランプを確認することで判断できる場合があります。

グラフィックボードは、なくても起動自体は可能ですので、一旦取り外してから起動してみるのもよいでしょう。
これで正常に起動すれば、グラボの接触不良か物理的な障害が原因である可能性が高いので、再度丁寧に取り付けてみて、それでも駄目ならばグラボの交換を考慮すべきです。

CMOSの電池交換

CMOSとは、BIOSに関する情報が記憶されている領域のことです。
従って、CMOSから情報を読み込めない状態ですと、BIOSは起動できません。

CMOSからの情報が読み込めなくなる原因の多くは、バックアップ電池の劣化による電圧不足です。

こうした事態を改善するために、CMOSの電池を交換してみてください。
CMOSの電池は、マザーボードにあります。

CMOS電池の取り外しや取り付け方法については、以下のような方法が一般的です。

参考:コイン型電池(CMOS電池)の役割と取り外し取り付け方法 | Dell

CMOSのクリア

電池を交換しても駄目だった場合は、CMOSのクリアを行ってください。

CMOSのクリアとは、マザーボード上のCMOSに保存されているBIOSの各種設定情報や現在の時刻等のCMOS情報を一旦消してしまう作業のことです。

マザーボード上には、CMOS情報をクリアするためのCMOSクリア端子がありますので、この端子をショートさせることでCMOS情報がクリアされます。

具体的な手順については以下の通りです。

  1. パソコンの電源を落としてから電源ケーブルを抜く(通電していない状態にする)
  2. パソコンを開け、電源ユニットからマザーボードへ電力を供給しているケーブルをすべて抜く
  3. マザーボードにあるボタン電池(丸い電池)を取り外す
  4. CMOSクリア用のジャンパ or ランドを見つける(CLRTC、CLRTC1、CLR_CMOS、CLR_RTC、CLRCMOS1など名前が記されている場所)
  5. ジャンパ or ランドをショートさせる(ジャンパの場合は、2ピンならばジャンパを挿すだけ、3ピンならばジャンパを入れ替えるだけでショートする。ランドの場合は、マイナスドライバーでランドの上の2つの半田部分を接触させるとショートする)
  6. ショートさせたジャンパやボタン電池を元に戻す。ボタン電池の裏表を間違えると故障に繋がるのでしっかり確認する
  7. 電源ユニットとマザーボードとをケーブルで正しく接続する
  8. パソコンを閉じ、電源ケーブルを繋げる
  9. 電源を入れ、CMOSの再セットアップ画面が表示されればクリア成功

CMOSの再セットアップ画面が表示された後は、デフォルト値をロードするか、BIOSの設定を行うかを問われますので、どちらかを選択してBIOSの再セットアップを行ってください。

CMOSをクリアする作業における注意点として、ランドをショートさせるのはデリケートな作業なので、マザーボードを傷つけないように気を付けてください。

なお、ASUS製のマザーボードならば、簡単にCMOS情報をクリアするための装置が存在する場合があります。

参考:[マザーボード] CMOSをクリアするには? | ASUS

まとめ:自作PCは知識がなければ組み立てが難しい

以上、自作PCが起動しない時の症状別対処法について解説しました。

ご覧いただいた通り、自作PC絡みのトラブルの場合、専門的な知識が必要になってくるケースが多いです。

安く済みそうだからという理由で、知識のない方が安易に自作PCにチャレンジするのはあまりお勧めできません。
結果的に高くついてしまうこともよくありますので。

実際に、自作PCの組み立てにチャレンジしたもののその難しさに心が折れてしまい、やはり普通に販売されているパソコンを買うことにしたという方もいらっしゃるでしょう。

その際には、自作PCが不要になるかと思われますが、そんな時は「パソコン廃棄.com」の利用が便利です。

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監修者/前田 知伸

富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。

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