新しくiPhoneを購入した後は既存のスマートフォンからデータ移行しなければなりません。
そのまま利用することも可能ですが、データ移行しなければ使い勝手が悪い人が大半でしょう。
この記事ではこれからiPhoneのデータ移行をしたい人に向けて、iPhoneからのデータ移行とAndroidからのデータ移行をそれぞれ解説します。
iPhoneからデータ移行する方法は、iPhoneからiPhoneとAndroidからiPhoneで少々異なります。
今回はそれぞれにわけて、どのような方法でデータ移行するのか解説します。
iPhoneからiPhoneの場合は大きく分けて3種類の方法があります。
どの方法もApple社が推奨しているため好みのものを選択して差し支えありませんが、それぞれの特徴は理解しておきましょう。
Apple社が提供するクラウドサービスであるiCloudにデータをアップロードして、これを利用してデータを移行する方法です。
iPhoneにはiCloudを利用したデータのバックアップ機能があるため、データをバックアップしておくことでデータ移行を実現します。
事前にiCloudにデータをアップロードしておけば、後は新しいiPhoneでiCloudにログインしてデータをダウンロードするだけです。
簡単にiPhoneからiPhoneにデータ移行できるうえ、iCloudにもデータをバックアップしておける方法となっています。
ただ、iCloudにバックアップできるデータ容量には制限があり、5GB以上のデータを保管する場合には有料プランに切り替えなければなりません。
WindowsやMacに向けて提供されているiTunesをパソコンにインストールしてデータ移行する方法です。
事前にiPhoneのデータをパソコンにバックアップしておき、そのデータを新しいiPhoneにコピーすることでデータ移行できます。
iPhoneとは別にパソコンが必要となりますが、日頃からパソコンにiPhoneのデータをバックアップしたりデータの整理をしている人ならばスムーズでしょう。
なお、iTunesでiTunesのデータ移行を済ませたいならば、概ね以下の手順で進められます。
iOS12.4から「クイックスタート」と呼ばれる機能が実装され、これを利用するとiPhoneとiPhoneを直接接続してデータ移行できます。
上記のように別のサービスを利用する必要がなく、2台のiPhoneが手元にある場合はおすすめの方法です。
利用にあたってはWi-FiかiPhone同士を接続できるLightningケーブルを準備する必要がありますが、準備できるならばこちらを積極的に利用しましょう。
クイックスタートを利用してiPhoneのデータ移行を進めたいならば、概ね以下の手順です。
AndroidからiPhoneの場合も大きく分けて3種類あります。
AndroidとiPhoneはケーブルなどを利用しての接続が難しいため、データ移行の専用アプリを利用します。
例えば「iOSに移行」と呼ばれるアプリがあるため、これを利用してAndroidからiPhoneに移行しましょう。
AndroidとiPhoneの両方がWi-Fiに接続できることが求められますが、環境さえ整っていればパソコンを用意することなくデータ移行できます。
ただ、どのアプリにおいてもGoogle社やApple社が開発したものではないため、完璧にデータ移行できるとは限らないというデメリットがあります。
Androidのデータをパソコンに保存しておき、それをiTunesでiPhoneに移行するという方法があります。
iTunesはiPhoneのデータをバックアップするためのものと思われがちですが、パソコンからiPhoneにデータを送ることも可能です。
もともとiPhoneからバックアップしたデータではなくとも、iTunesで操作すればiPhoneにそのデータを格納できます。
iTunesを利用してデータ移行したい場合は、あらかじめAndroidからパソコンにデータを保存しておかなければなりません。
専用ソフトなどを利用して、Androidに保存されているデータをバックアップしておきましょう。
また、画像や動画などはデータ移行できますが、一部のデータについてはAndroidとiPhoneで形式が異なるため、iTunesを利用してもデータ移行できません。
各キャリアはデータ移行サービスを提供しているため、これを利用してAndroidからiPhoneにデータ移行することが可能です。
auについては一度サーバーにデータをアップロードして、それをダウンロードする形でデータ移行ができます。
また、ドコモとソフトバンク移行元と移行先の端末にそれぞれ専用のアプリをダウンロードしておくことで、Wi-Fiを利用したワイヤレスのデータ移行が可能です。
iPhoneへデータ移行する前には準備しておくべきことが5つあります。
iPhoneへデータを移行する際は必ず充電を済ませておきましょう。
作業の途中で電池が切れてしまうと、トラブルの原因となりかねません。
事前に十分な時間を設けて充電しておき、ほぼ満タンにしておくことが望ましいです。
なお「充電しながら作業すれば良いのではないか」と考える人がいるかもしれません。
このような方法もありますが、充電しながらの作業は発熱の原因となるため、やむを得ない状況を除いて避けるようにすべきです。
iPhoneのOSがバージョンアップできる場合があるため、事前にバージョンアップを済ませましょう。
作業前にバージョンアップが発生すると、バージョンアップが完了するまで待機しなければなりません。
また、バージョンアップを待機しているiPhoneは動作が重くなるなど挙動が不安定になる可能性があります。
データ移行に悪影響を与えてしまう可能性があるため、その観点でもバージョンアップは済ませるべきです。
iPhoneのアプリに登録しているアカウント情報を必ず控えておきましょう。
例えば、LINEや各種メールサービスやチャットサービス、ゲームなどログイン情報が必要なものすべてが該当します。
中には専用のアカウントが存在せずSNSのアカウントなどを利用してログインするものもあるため、どのような情報でログインしているのかチェックが重要です。
データ移行してからログイン情報を確認できないものも存在するため、事前の作業として対応することが求められます。
アプリのデータでバックアップが必要となるものは事前にバックアップしましょう。
例えば、LINEのトーク内容は端末に保存されているため、新しいiPhoneに引き継ぎたいならばバックアップが必要です。
同様に端末に保存されているアプリのデータは、アカウント情報を控えるだけではデータ移行できません。
各アプリの公式サイトなどにバックアップが必要かどうか、データ移行はどうすればよいか記載されているため確認してください。
iPhoneのデータ移行にあたって専用アプリを利用するならば、事前にインストールして書きましょう。
例えばAndroidからiPhoneへデータを移行する場合は、移行アプリをインストールする可能性があります。
インストールしてから事前設定などが必要となる可能性があるため、インストールして確認しておきましょう。
また、パソコンを利用してデータ移行する場合も、パソコンにアプリがインストールされていないならばインストールしておきます。
iPhoneのデータ移行においてはいくつもの注意点があります。
それらの中でも特に意識してもらいたい注意点を5つピックアップして解説します。
データ移行の前にiPhoneのストレージ容量を確認しておきましょう。
近年、iPhoneのストレージ容量はいくつもの種類が展開されています。
データ移行する前と後で容量が違う場合はデータが入りきらない可能性があるため、注意しなければなりません。
特に容量が大きなiPhoneから小さなiPhoneにデータ移行する場合は詳細な確認が必要です。
もし、データ移行後のiPhoneのストレージ容量が不足するならば、画像を削除するなどして移行データ容量を減らさなければなりません。
事前に確認していると思われますが、アプリのIDやパスワードは再確認しましょう。
データ移行しようとして「IDやパスワードがわからない」という状況が散見されます。
事前に手続きしておかないとデータが消えてしまうことがあるため、よく確認しておきましょう。
また、手続きして発行されたIDやパスワードを紛失すると照会できないこともあるため、どこかに記録することも重要です。
AndroidからiPhoneに切り替える場合は、事前に電子マネーを使い切っておきましょう。
これらのOSの間では、データ移行の手続きを済ませても残高の移行ができません。
しかも、Androidの電池が入らなくなってしまうと使い切ることが難しくなるため、事前に使い切っておくことが重要です。
なお、これはAndroidからiPhoneに切り替える場合のみの事象で、iPhoneからiPhoneへ切り替える場合はデータ移行によって電子マネーも使えるようになります。
できるだけ時間に余裕をもって対応するようにしましょう。
焦ってデータ移行をしようとすると、操作を誤って失敗してしまう可能性があります。
重要な作業を進めるにあたって焦った状況は精神衛生上よくありません。
落ち着いて作業しなければ、最悪、操作ミスでデータが消えてしまうことも考えられます。
やむを得ない状況はあるかもしれませんが、可能な限り時間に余裕を持って、手順を確認しながら作業することを心がけましょう。
iPhoneのデータ移行をする際は、Wi-Fiが整っている環境で作業をしましょう。
大量のデータをやり取りしなければならないため、データ通信の利用はおすすめできません。
近年はデータ通信容量が無制限のプランが存在しますが、通信容量不足になる可能性があります。
データ移行だけで通信容量が不足すると、その期間のiPhone利用に支障が出てしまうため、Wi-Fiを用意しましょう。
iPhoneのデータ移行で困った際は、状況に応じて適切な対処をしなければなりません。
データの移行方法や状況によってやるべきことが変化するため、具体的に何をすれば良いのか解説します。
iPhoneのストレージ容量に関するエラーが表示されることがあります。
これは移行前の端末が移行後の端末より大容量であるときに起こりやすいエラーです。
移行先のiPhoneでデータ容量が足りない状況はどうしようもないため、一部のデータはパソコンに移行するなどして対応する必要があります。
iCloudはネットワーク経由で利用するものであるため、ネットワークに問題があるとエラーが出やすくなります。
例えば、Wi-Fiの通信速度が遅かったり無線LANルーターの強度が悪かったりすると、iCloudのエラーが表示されるのです。
これは基本的にiPhoneの設定などに依存するものではないため、ネットワーク環境の見直しをしなければなりません。
ただ、昔のiPhoneの場合はWi-Fiの強度が悪くなっている場合があるため、これは再起動を試すなどして安定するまで試してみましょう。
クイックスタートについてもネットワーク環境に問題があるとエラーが出やすくなります。
上記で解説したiCloudに関するものを参考に、ネットワーク環境を見直してください。
なお、個別のエラーについてはApple社がクイックスタートについて解説しているため、こちらを参照することで解決する可能性があります。
データ移行アプリについては状況に応じて対処方法が大きく異なります。
そのため、そのアプリの公式サイトなどを参照するようにしてみましょう。
キャリアが提供しているアプリについては、それぞれのキャリアで細かく手順が解説されているため、それらを参照すると対処しやすいはずです。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。
「iPhoneを初期化する方法を知りたい」
「初期化が必要になるタイミングを知りたい」
「初期化前に必要な準備や注意点を知りたい」
急にiPhoneの初期化が必要になっても、正しいやり方を知っている方は少ないはずです。
この記事ではiPhoneの初期化で困っている方向けに、事前準備から正しい手順・復元方法を解説します。
記事の内容を読めば、自分でiPhoneの初期化ができるようになります。
準備から初期化完了まで1時間以上掛かることもありますので、時間の余裕のある時に作業しましょう。
iPhoneを初期化すると、すべてのコンテンツと設定が消去され、デバイスが工場出荷時の状態に戻ります。
初期化後も必要な情報はバックアップすれば復元できますので、このまま安心して読み進めてください。
本当に初期化する必要があるか心配という方は、始めに以下8つのケースに当てはまるか確認してみると良いでしょう。
iPhoneのロック画面で入力するパスコードを忘れてしまった場合、初期化する必要があります。
この場合、パソコンを使用した「リカバリーモード」による初期化を実行すると新しいパスコードを設定し直せます。
ペアレンタルコントロール等に使用する「スクリーンタイム」のパスコードを忘れてしまった場合、初期化する必要があります。
ロック画面のパスコード忘れと同様、「リカバリーモード」による初期化を実行すると新しいパスコードを設定し直せます。
iPhoneを始めとするApple製デバイスは、Apple Storeやオンラインで下取りに出すことができます。
この場合、自己責任で全てのデータを消去し初期化する必要があります。
iPhoneの反応がにぶい・頻繁にフリーズするなどの不具合は、初期化により解消される可能性があります。
全ての不具合が解消できるわけではありませんが、ソフト・ハードどちらが原因なのか切り分けることができます。
知人に譲る・スマホ買取店やフリマサイトなどでiPhoneを売却する場合、初期化が必要です。
この場合、初期化後に他の人が使えるようにiCloudからサインアウトし、「デバイスを探す」をオフにする必要があります(方法は後述)。
Apple Storeやオンライン・街の修理店などに修理を依頼する場合、iPhoneの初期化が必要な場合があります。
店舗によって方針は異なりますが、情報漏えい・データ消失などのトラブルを回避するため、同意書にサインを求められることもあります。
iPhoneが紛失や盗難にあった場合、後述の「デバイスを探す」でiPhoneを初期化できます。
この場合、初期化後もApple IDとパスワードでログインすれば再設定可能です。
使わなくなったiPhoneを処分・廃棄したい場合、個人データの流出を避けるために初期化する必要があります。
初期化作業に不安がある場合、無料でデータ消去してくれる処分専門業者に依頼するのもおすすめです。
初期化作業は場合により1時間以上掛かり、データ通信も発生します。
安心・安全に作業できるように、あらかじめ以下の点を確認しておきましょう。
バックアップや初期化作業中に電源が落ちないよう、しっかり充電しておきましょう。
初期化作業中も充電しておくとより安心です。
iCloudへのバックアップや復元ではデータ通信が発生します。
モバイルデータ通信を使いたくない方は、Wi-Fiに接続しておくことをおすすめします。
iPhoneのリセットにはパスコード・Apple IDとApple IDのパスワードが必要です。
作業途中で困らないように、あらかじめ確認しておきましょう。
ゲームアプリなどでは、個別にデータ移行が必要なものもあります。
以降の「iPhone初期化前の準備9つ」に記載のないアプリは、個別に確認をしましょう。
ここから、初期化前の事前準備について解説します。
確実にバックアップ・初期化できるよう、慌てずに作業しましょう。
SuicaはApple Payから削除することにより、残高などをサーバに退避できます。
退避したデータは初期化後のiPhoneで再設定できるほか、別端末に移し替えることも可能です。
削除手順は「JR東日本のサイト」をご確認ください。
PASMOの残高移行は、以下の点に注意してください。
手順は「PASMOのサイト」をご確認ください。
LINEトークの内容はスマホ本体に保存されているためバックアップが必要です。
手順は「LINEトーク履歴のバックアップ方法」をご確認ください。
Apple Watchのペアリングを解除しましょう。
ペアリングを解除したApple Watchのデータは、iPhone上に全てバックアップされます。
そのため、下記「iPhoneのバックアップ」を行えば、Apple Watchはいつでも復元できます。
手順は「Apple Watch のペアリングを解除して消去する」をご確認ください。
iPhoneのバックアップは以下3つの方法で作成できます。
手順は「iPhoneのバックアップを作成する」をご確認ください。
※iCloudの無料枠は5GBですが、新しいiPhoneへのデータ移行のために一時的に容量を拡大して利用できます。
ただし、利用期限など制約がありますので、詳細は「iCloud ストレージを一時利用する」をご確認ください。
iPhoneを売却・譲渡・下取りで手放す場合、必ず「デバイスを探す」をオフにしましょう。
オフにしないと初期化後のiPhoneでロックが掛かり、他の人が利用できなくなります。
手順は『iPhone やその他のデバイスで「探す」を無効にする』をご確認ください。
iPhoneを売却・譲渡・下取りで手放す・または廃棄する場合、Apple Careプランを解約しましょう。
手順は「AppleCare プランを解約する」をご確認ください。
iPhoneを売却・譲渡・下取りで手放す場合、iCloudからサインアウトしてください。
サインアウトせずに初期化すると、初期化後のiPhoneでロックが掛かり他の人が使えなくなる可能性があります。
手順は「iPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、Mac で iCloud からサインアウトする」をご確認ください。
Androidスマホに機種変更する場合、iMessageの登録を解除しましょう。
iMessageはAppleのサービスであり、電話番号と紐づいています。
そのため、Androidへ機種変更するとSMS/MMSメッセージを受信できなくなってしまいます。
「iPhone またはオンラインで iMessage の登録を解除する」の手順で登録解除しましょう。
ここまでの手順で準備を終えたら、iPhoneを初期化しましょう。
初期化する方法は3通りありますので、最適なものをお選びください。
通常の初期化は設定アプリから実行できます。
パスコードとApple IDの入力が必要になりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
手順は「iPhone、iPad、iPod touch を初期化する (工場出荷時の設定に戻す) 方法」をご確認ください。
ロック画面のパスコードやスクリーンタイムのパスコードを忘れた場合、MacまたはWindows PCを使用してリカバリーモードでの初期化を実行してください。
手順は「iPhone のパスコードを忘れた場合」をご確認ください。
iPhoneが紛失や盗難にあった場合は、「デバイスを探す」から初期化しましょう。
iPhoneがオンラインの場合リモートで初期化され、オフラインの場合は次にオンラインになったときに初期化されます。
手順は『iCloud.comの「デバイスを探す」でデバイスを消去する』をご確認ください。
iPhoneを売却・譲渡・下取りで手放す場合、「信頼できるデバイス」からiPhoneを削除しましょう。
削除することにより、本人確認などに使用されることが無くなるため安心です。
手順は「Apple ID のデバイスリストを調べ、Apple ID でサインインしているデバイスを確認する」でご確認ください。
初期化後のiPhone、または新しいiPhoneでデータを復元する手順を解説します。
iCloudまたはパソコンにバックアップしたデータをiPhoneに復元できます。
手順は「iPhone、iPad、iPod touch をバックアップから復元する」でご確認ください。
Suicaは、同じApple IDでサインインすればサーバに退避したデータを復元できます。
手順は「JR東日本のサイト」をご確認ください。
PASMOもSuica同様、サーバに退避したデータを復元できます。
手順は「PASMOのサイト」をご確認ください。
初期化後または新しいiPhoneでLINEを起動した後、バックアップしたトーク履歴を復元できます。
手順は「LINEあんぜん引き継ぎガイド」をご確認ください。
ここまでの手順でiPhoneが初期化出来ない場合、修理を検討しましょう。
iPhoneの修理は、以下の方法で依頼することができます。
修理期間や費用、デバイスの発送方法などが異なりますので、ご自身に最適な方法を選択してください。
今回は、iPhoneの初期化について解説しました。
iPhoneの不具合や紛失は、ある日突然起こります。
いざという時に備え、日頃からApple IDの確認やデータのバックアップを心掛けましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。
スマホをお風呂やプールに落としてしまったら、すぐに適切に対処しなければなりません。しかし、慌ててスマホを振ったり、動作確認したりしてしまうことも。
こういった対応は、のちに故障につながることがありますので、まずは電源を切って、乾かすことが大切です。
万が一、スマホが水没したときに備えて、正しい対処法を覚えておきましょう。
今回は、スマホが水没したときに、すぐにやるべきことを解説します。やってはいけないことや、復旧後にチェックすることも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
スマホを水没させてしまったら、まずやるべきことは4つです。しっかりチェックして、適切に対応しましょう。
まずは、すぐにスマホの電源を切ってください。これは、水が内部に侵入して、基板がショートするのを防ぐためです。もし、電源を入れてしまった場合は、すぐにオフにしましょう。
一瞬だけ水没してしまったときも同様です。故障の可能性はゼロではないので、すぐに電源を切ってください。
乾いたタオルやキッチンペーパーで、スマホの水分を拭き取ってください。
スマホ本体を振らず、優しく拭くのがポイント。スマホをぐるっと回転させると、水が中まで入ってしまう可能性があるので、あまり角度を変えないようにして拭いてください。
スマホ本体の水分を拭き取ったら、パーツを取り外します。取り外し可能なパーツには、次のようなものがあげられます。
外せない部分は、無理する必要はありません。取り出したパーツは、柔らかい布などで、優しく水分を拭き取りましょう。ティッシュは細かいくずが出るので、吸水性の高い布がおすすめです。
SIMカードやSDカードには、大事なデータが入っているので、取り扱いには十分注意してください。また、外したパーツは元に戻さず、そのまま1〜2日程度、自然乾燥させてください。
充電ケーブルの差し込み口や、スピーカーなど、小さな穴にも水が入っている可能性があります。乾いた綿棒や布の角などを使って、できるかぎり水気を取り除きましょう。
本体と内部の水分を拭き取ったら、スマホを乾燥させましょう。このとき、電源はオフのままにしておいてください。
内部の部品が濡れていると、ショートして故障する可能性があるので、絶対に電源を入れてはいけません。
乾燥させるには、スマホを乾いたキッチンペーパーなどで包んで、乾燥剤と一緒に密閉袋に入れておきます。チャック付きの袋を使って、中の空気をできるだけ抜いておきましょう。1〜2日くらい、この状態で乾燥させてください。
自然乾燥の場合は、キッチンペーパーや布でスマホをくるんだら、直射日光が当たらない場所に、3〜4日置いておきます。
なお、スマホ本体に、水が少しだけかかったときと、完全に水没した場合では、水の侵入具合が異なります。スマホの内部まで濡れている可能性がある場合は、長めに乾燥させましょう。
ここでは、スマホが水没したら、やってはいけないことを6つ説明します。
これらは慌ててやってしまいがちなので、注意しましょう。
スマホが水没したら、「もしかしたら壊れたかも」と焦って不安になりますよね。しかし、濡れたままスマホの電源を入れたり、操作したりしてはいけません。
濡れたまま操作すると、奥まで水が入り込み、どんどん症状が悪化します。内部の基盤がショートする恐れもあるでしょう。
水没したときは、慌てて動作チェックはせず、すぐに電源をオフにしてください。ここで適切に対応できるかどうかで、故障の度合いが変わることもあります。
スマホが濡れたからといって、水分を振り落としてはいけません。スマホを振ることで、内部の部品の奥まで、水が入ってしまう可能性があります。
これ以上、症状を悪化させないためにも、まずは傾けないようにして、スマホの電源を切りましょう。
すぐに乾かすために、ドライヤーを使うのもNGです。ドライヤーの熱で、内部の基板や部品が壊れてしまうことがあります。プラスチックのパーツが、熱でゆがむこともあるでしょう。
スマホとはいえ、中身は精密機器です。部品や基板は熱に弱く、故障の原因となるので、熱を加えないようにしましょう。
スマホが濡れたまま充電してしまうと、内部がショートする危険性があります。水によって感電するリスクもありますので、絶対に濡れたまま充電しないでください。
水分を拭き取った直後に、充電するのもNGです。まずは、スマホをしっかり乾燥させましょう。
スマホが正常かどうかを確認するために、電源のオンとオフを繰り返してはいけません。スマホ内部の基板が濡れていると、ショートして故障する可能性があるからです。
水没したら、すぐに電源をオフにしておき、まずは水分を取り除くことが大切です。
濡れたスマホを拭かずに、そのまま放置するのもNGです。濡れたまま時間がたつと、スマホについている水分が、徐々に中に入り込んでしまうためです。
スマホを傾けたときに、隙間から奥の基板に水が入ってしまうことも。濡れたスマホはそのままにしないで、まずは電源をオフにして、水分を優しく拭き取ってください。
水没したスマホが復旧したら、まずやるべきことを紹介します。
数日間しっかりと乾燥させたら、電源を入れて動作確認をしましょう。次のような項目をチェックしてください。
もし、正常に動作しないときは、修理または買い替えを検討しましょう。
電源が入って、動作確認ができたら、すぐにスマホのバックアップを取りましょう。水没して復旧した場合でも、時間が経ってから故障する可能性があるからです。
水没以外の落下や、紛失といったリスクに対応するためにも、日ごろからデータのバックアップを取っておくのがおすすめです。
バックアップには、PCを使う方法や、「iCloud」「Googleドライブ」などのクラウドストレージを使う方法があります。
設定で自動的にバックアップできるデータと、手動でバックアップを取らなくてはいけないものがありますので、必要なデータを確認のうえ、作業をしてください。
スマホが水没から復旧したからといって、油断はできません。一見問題がなさそうでも、時間の経過とともに、故障の症状が現れることがあります。
たとえば次のような現象が発生します。
「いつも通り使えるから大丈夫」と思って使い続けると、突然、起動しなくなったり、中のデータが取り出せなくなったりと、手遅れになることも。
そのため、水没したスマホが復旧した場合でも、修理に出すのがおすすめです。本当に異常がないかを点検してもらいましょう。
修理が面倒なら、この機会に、買い替えや機種変更も検討してください。
もし、水没からスマホが復旧しない場合は、次のいずれかの方法で対処しましょう。
ひとつずつ、説明していきます。
キャリアの故障対応サービスに加入している場合は、水没などのトラブルに対応できることがあります。ただし、補償内容によっては、水没は対象外となることも。
サービスの加入状況を確認のうえ、購入した店舗や、キャリアのオンライン問合せ窓口などで相談してみてください。
水没によるスマホの故障は珍しくありません。たとえば、川や海に落としたり、スキー場で雪に埋もれたりと、アウトドアでの水没もよく起こります。
スマホを過去に水没させたことがある方は、次回購入時に、キャリアの保障サービスに加入しておくと、万が一に備えられるので安心です。
詳しくは、キャリアのサイトで修理対応についてご確認ください。
参考:docomo-お客様サポート-修理手続きのご提案
参考:auサポート-携帯電話機の故障・紛失の対応
参考:ソフトバンク-スマートフォン修理時の最適な手続きをシミュレーションする
キャリアの保障サービスが利用できないときは、スマホの修理業者に依頼するのも手です。故障の状況によっては、スマホが起動しなくても、中のデータを取り出せる場合があります。
ただし、業者によって、費用や対応が異なります。複数の業者を比較したり、公式サイトなどで口コミを調べたりと、あらかじめ作業内容をしっかり確認しておきましょう。
修理費用の目安は、状況によっても変わりますが、5,000円〜20,000円くらいが相場です。
修理にかかる費用があまりに高い場合は、スマホの買い替えを検討しましょう。
キャリアの補償サービスによっては、新しいスマホがお得に購入できることもあります。たとえば、ドコモの場合、補償サービスに加入していれば、自己負担金は必要ですが、同じ機種の新しい商品(リフレッシュ品)と交換してもらうことができます。
どうしても水没したスマホを使いたいなら修理をするべきですが、一度水没したスマホを使い続けると、故障のリスクがあります。こだわりがないなら、新しいスマホに思い切って買い替えるのもよいでしょう。
スマホの買い替えについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
スマホの買い替え時期はいつ?事前にやることやデータ移行について解説
スマホが水没したら、落ち着いて対処しましょう。慌てて振ったり、ドライヤーを使って乾かしたりといったことは、絶対にしないでください。まずは、電源を切って、水気を拭き取ることが大切です。
万が一の水没や故障に備えて、日ごろからバックアップを取っておくのがおすすめ。機種変更のときも、バックアップがあれば安心です。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。
「スマホを初期化する方法を知りたい」
「スマホをリセットするとどうなるのか知りたい」
「初期化後に適切にデータを復元したい」
Androidスマホを初期化する必要があるけれど、正しい手順がわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのような方に向けバックアップ・初期化・復元方法を解説します。
この記事を読めば、自分でスマホを初期化しバックアップから復元できるようになります。
慌てずに、時間にゆとりがあるときに作業しましょう。
初期化作業は、「フォーマット」「リセット」「ハードリセット」とも呼ばれ、端末が出荷時の設定(購入時の状態)にリセットされます。
以下のデータが削除されますので、あらかじめ把握しておきましょう。
初期化後も使用したいデータは、後述する方法でバックアップできますのでご安心ください。
※MicroSDカードを暗号化している場合、カード内のデータは必ずバックアップしておきましょう。
作業には1時間以上掛かることもあり、バックアップのためのデータ通信も発生します。
安心して初期化できるよう、しっかりと準備しましょう。
初期化中にバッテリーが切れないよう、あらかじめ70%以上充電しておきましょう。また、充電しながら初期化するとより安心です。
このあと説明するバックアップ作業では、写真や動画などの転送で大量のデータ通信が発生することがあります。
契約しているモバイルデータ通信量の上限を超えないように、Wi-Fiに接続しておくことをおすすめします。
Andoroidスマホのバックアップ・復元にはGoogleアカウントが必要です。
既にアカウントをお持ちの方は、Gmailアドレスとパスワードを確認しておきましょう。
Googleアカウントをお持ちでない方は、以下のページの手順で新規作成してください。
Googleサポートページ:Google アカウントの作成
初期化後に再ログインできるよう、前もって各アプリのログイン情報を確認しておきましょう。
代表的なバックアップ手順をご紹介します。
ここに記載の無いデータは、それぞれのアプリでご確認ください。
GoogleOneはGoogleのオンラインストレージサービスで、15GBまで無料で使用できます。写真や動画をはじめ、以下のデータをバックアップできます。
Googleフォトではカメラフォルダのデータは自動バックアップされますが、それ以外の写真と動画のバックアップには設定変更が必要です。
Googleフォトを開き、以下のように設定を変更してください。
機種毎に画面表示は異なりますが、以下の手順でバックアップを実行できます。
音楽データ・Wordやエクセルなどの文書ファイル等は、手動でバックアップする必要があります。
今回はMicroSDカード・PCへのバックアップ方法をご紹介しますので、どちらかお好きなやり方を選択してください。
フォルダ管理アプリなどを使用すると、MicroSDカードに簡単にデータコピーできます。
以下の手順でパソコンにデータをコピーできます。
おサイフケータイのバックアップ操作は、アプリ毎に異なります。
以下の手順で必要な操作を確認してください。
LINEのトーク履歴もGoogleアカウントを使用してバックアップできます。
以下の手順でバックアップしてください。
バックアップを終えたら、以下の手順で初期化を実行してください。
作業完了まで1時間以上掛かることもありますので、時間にゆとりを持って行いましょう。
売却・譲渡の場合、他の人がスマホを使用できるようにグーグルアカウントを削除してください。
手順は以下の通りです。
通常は、設定アプリから以下のように初期化することができます。
スマホを紛失した・画面操作ができない場合、リモートからの初期化を行います。
「デバイスを探す」が上手く実行できない場合、「紛失した Android デバイスの位置の特定、ロック、データ消去を行う」をご確認ください。
バックアップしたデータを復元する方法を解説します。
GoogleOneのバックアップデータは、初期化後のスマホで画面表示の通り操作すれば復元できます。
表示内容は機種ごとに異なりますので、詳細はメーカーのサポートページなどでご確認ください。
MicroSDカード・パソコンに保存したデータは、バックアップと逆の手順で復元できます。
おサイフケータイデータの復元は、アプリごとに手順が異なります。
「おサイフケータイのバックアップ」に記載した「機種変更手続きのご案内」で、必要な操作を確認してください。
初期化後のスマホにLINEアプリをインストールし、以下の手順で復元してください。
ここまでの手順で初期化できない場合、リカバリーモードでの初期化をお試しください。
電源ボタンと音量ボタンを使うとスマホを強制初期化できます。
ボタン操作は機種により異なりますので、以下のページから各メーカーのサポートサイトでご確認ください。
ここまでの手順で初期化できない・不具合が解消されない場合、修理を検討しましょう。
修理を依頼する方法は、大きく以下の3通りです。
それぞれ修理期間・費用が異なりますので事前に比較検討した上で利用しましょう。
今回は、Androidスマホの初期化手順について解説しました。
スマホを初期化すると、不具合が解消され動作が安定するなどのメリットがあります。
しかし、スマートフォン本体の寿命は数年といわれています。
日頃からバックアップを心掛け、トラブルや故障に備えておきましょう。
監修者/前田 知伸
富士通を経て、リブート㈱代表取締役。パソコンリサイクル業15年目。国内外のIT資格を保有。NHKなど出演実績有り。